軽量で強度に優れた炭素繊維の建築土木分野への利用は、建造物の補強技術を中心に広がっております。橋梁などコンクリート構造物へ炭素繊維シートを貼ることにより耐久性を高める技術は、効率的な耐震補強技術として認知が進んでおり日本を中心に世界各地で利用が広がっています。
他方、建築材料として炭素繊維強化プラスチックを利用する技術も世界各地で積極的に開発が進められています。主要な構造材に炭素繊維強化プラスチックを採用した橋梁の建設計画が各地で進められています。コンクリートの緊張材、つり橋のケーブル、鉄骨代替材料としての利用も積極的に検討が進んでおり、未来の建築材料としての期待が高まっています。
将来的には、その導電性を利用した建物の電磁波シールド用途向けの利用や建造物の損傷を知らせる「インテリジェント材料」としての利用も期待されており、炭素繊維の建築土木分野での利用も今後大きく広がることが期待されています。